速記は、その精度を競う競技としての側面もあります。 高校生、大学生ともに速記の技術を競う競技会が行われており、 競技速記から実務についた人も多くいると聞きます。
高校の速記競技は、1分間朗読で競います。 1分間と短い朗読時間で行われるので、 非常に速い速度で問題文が読まれることになり、 どの程度、「速く書けるか」が勝負となります。
それに比べ、大学生は5分朗読で競います。 「どれくらい正確にかけるか」が勝負となります。 大学生の速記競技大会は、昭和32年に全日本学生速記連盟(学速連)が発足してから、 春と夏の年2回行われており、今年で92回を数えます。
学速連発足当時は、関西学院大学が常勝していました。 10回大会までは、1位をほぼ独占しています。 その後、関西大学が常勝し、たまに早稲田大学が優勝するという時代が続きます。 平成になってからは、関西大学が連勝しており、現在37連勝中です。 このほかにも、中央大学、同志社大学などが強豪として上位入賞していましたが、 現在は、参加しておりません。
現在、全国大会に出場するのは、早稲田大学、関西大学、関西学院大学、福岡大学の4校のみです。 関東支部大会は、早稲田大学の校内記録会と化しており、 関西大会は、学生だけでなく、一般参加者も募っているようです。
過去から現在にかけて速記を活動内容とするサークル・部をもった大学としては、 日本大学、早稲田大学、関西大学、中央大学、関西学院大学、日本女子大学、学習院大学、 同志社大学、大阪経済大学、愛知大学、近畿大学、金沢大学、龍谷大学、相模女子大学、 千葉商科大学、明治薬科大学、岡山大学、福岡大学、大阪商業大学、甲南大学、 京都大学、京都府立大学、大阪大学、駒澤大学、などが確認できる。 独自の方式を考案した大学や、後継者育成において重要な位置をしめた大学もありましたが、 現在、ほとんどが消滅してしまっているようです。
ちなみに1996年の時点で、学速連に加盟していたのは、 岡山大学、学習院大学、金沢大学、関西大学、関西学院大学、 近畿大学、相模女子大学、中央大学、日本女子大学、福岡大学、龍谷大学、早稲田大学の12校だけでした。