太田衣のエッセイ

男性です。ほろよいに任せた雑談、日記、思っていること。古の記憶の発掘。記事内にプロモーションが含まれることがあります

Re:香り(中二病)

中二病

香り - 太田衣のエッセイ

 

 高校時代の日記より。中二病満開のポエムを発掘しました。黒歴史といってもいい。だけど、焼酎を飲みながらだから晒せるのです。

 

香ったその日は、確かに眠くなるほど良い香。
その記憶は残り、飽きても、強く匂いすぎても、良い香。
ふとしたきっかけで気付いたら、もうただただ鼻につく。
なんだか、自分の恋みたいで、キンモクセイ
好きになった。

 

 素敵なお姉さんと厳かな図書館での出会いを季節柄とりいれた言葉選びで、語尾もエモくして・・・。中二病っていう言葉、できたのは1999年とからしいんですけど、普及したのは2005年からとからしく、今ほど、浸透していなかった。だから、症状と病名を当時は結び付けていなかったんだけど、今、読むと中二病満開でとても微笑ましい。

 

 中二病という言葉。時代によって、印象がどんどん変わってきた言葉ですよな。出始めたころは、少年期から青年期への相転移の発現、全般を表していて、たとえば、不良を演じたり、オールディーズ好き決め込んでみたり、「かっこつけがち」みたいな意味だったのに、2000年代中盤から2010年代中盤以降、ファンタジー世界のロールプレイにのめり込む趣味の意味合いがめっちゃ強くなっていった。

 

 中二病も最初は、一種の中高生「あるある」ネタを面白くいった言葉だったと思う。でも、途中から、邪気眼系の意味合いが強くなっていたんよ。

 

 あるあるネタという言葉の言い換えで生まれた中二病という言葉が変化して邪気眼を示す言葉になって。「いや、たしかに。たしかに、中学生になってもかめはめ波とか元気玉を打とうとしてる人、いたけど。いたし、べつにそういう人もおもろいと思うけどさ。だけど、学年を代表するようなくらいほどいっぱいおったか???」って思いはあった。

 

 ゆとり世代を代表する人間として大谷さんとか藤井さんをとりあげるような感覚。ゆとり世代、当時はあれこれいわれてたけど、大人になってみたら、たしかにいろんな分野でのびのびと活躍しているけどさ、それにしたって、大谷さんとか藤井さんは特異点すぎないか?って。

 

 中二病邪気眼系の意味合い強くなって、それほど共感はえられない「ないない」ネタの言葉になってしまって。流行語・ミームとしての拡散力がずいぶん低下してしまい、ジャンルとして邪気眼系が好きな人が、占有する半分死語みたいな感じの印象がある言葉になったと思う。

 

 そして、今。今は、邪気眼系の意味合いでの中二病という言葉の定着力、拡散力がそれほど高くないものだから、一旦、半分あまり使われなくなっていたクールダウンの期間を経て、再度、受け入れられやすく拡散しやすい「あるある」系の意味での中二病復権しつつある・・・?という印象がありますよ。

 

 そう、ですから、本来のあるある系の意味で、かっこつけ満載のポエムを中二病と称してみましたよ。みなさん、中二病という言葉の現在について、どういう風に考えていますか⁇

 

 ところで印象が初期と変わって言葉といえば、オタクっていう言葉とかもそうですけど、最近だと「陰キャ」という言葉の変化についての言及が多いですかね。ずいぶん長い間、卑下、謙遜、妬みなどの感じをふくむ、マイナス感情が強い言葉でした。

 

 最近の若者たちの間だと、心から陽キャであり陽キャとしてふるまう人はむしろ少数派だそうで。本当は陽キャだと自分を評価しているけれど、陰キャを演じたり、自称しなければ、マイノリティとなってしまい、集団の中ですごし辛くなってしまうのだとか。

 

 共感に頼って拡散した言葉の意味って、どんどん移り変わっていておもろいですね。心理的安全性については、人単位でなにをいっているのかわからないのでおもろくないです!ではでは。